雲仙地獄めぐりは、地獄の光景を五感で体感できる数少ない観光スポットです。地獄の蒸気で蒸した「温泉たまご」や、地熱や噴気を体感できる「雲仙地獄足蒸し」など魅力満載です。キリシタン殉教の舞台となった歴史を学びながら雲仙の旅を楽しんでください。
雲仙地獄
雲仙地獄の敷地面積は、約2,464.92平方メートルで、雲仙岳の標高約700mの雲仙温泉の中心に位置しており、雲仙温泉を代表する人気の観光スポットです。
雲仙地獄温泉は、お糸地獄や清七地獄・大叫喚地獄など30あまりの地獄があります。
硫黄の香りと地の底から噴き出す蒸気が辺り一面を覆う尽くす光景は地獄そのもです。
今回は、旧八万地獄、極楽公園、清七地獄、お糸地獄、大叫喚地獄を経由して雲仙宮崎旅館に行くコースを約2時間かけて散策しました。
地獄地帯の岩石は噴気や温泉の熱と酸性水の影響で変質し、白く脱色した粘土状の温泉余土となっています。
地獄の噴気孔のまわりに白~淡黄色の湯ノ花がみられます。
雲仙温泉の泉質は、硫黄泉・含鉄泉・酸性泉(硫化水素型)で、源泉温度は、60度~90度です。
■雲仙地獄めぐり地図
アクセス方法
雲仙地獄への交通手段は、自家用車がおすすめですが、JR諫早駅や島原駅・島原港から雲仙まで、路線バス(島鉄バス)を利用して行くこともできます。
JR九州
JR九州の特急列車(リレーかもめ)と西九州新幹線を利用して諫早駅で下車し、島鉄バスに乗り換えて雲仙まで行くことができます。
✨博多駅➡諫早駅
■運賃:片道:5,270円・所要時間(1時間33分)
🚅かもめネットきっぷ
■運賃:片道:4,200円
西鉄バス(高速バス)
西鉄バスを利用して、博多駅バスセンターまたは天神バスセンターから『島原駅』行の高速バスに乗車し【諫早駅】または【島原駅】で下車し『雲仙』行の路線バスに乗り換えて雲仙まで行くことができます。
✨博多駅➡諫早駅
■運賃:片道2,900円・所要時間(約2時間20分)
✨博多駅➡島原駅
■運賃:片道3,400円・所要時間(約3時間20分)
✨天神➡諫早駅
■運賃:片道2,900円・所要時間(約2時間)
✨天神➡島原駅
■運賃:片道3,400円・所要時間(約3時間)
特急バス(長崎県営バス)
県営バス長崎駅前ターミナルから長崎県営バスの特急バスを利用して雲仙まで行くことができます。
✨長崎➡小浜➡雲仙
長崎駅前バスターミナルから『雲仙』行の特急バスに乗車し【雲仙】で下車します。
■運賃:片道1,850円 往復3,300円・所要時間(約1時間40分)
路線バス
島鉄バスを利用して諫早駅や島原駅・島原港から雲仙まで行くことができます。
✨諫早駅➡雲仙
JR諫早駅前から島鉄バスの『雲仙』行に乗車し【雲仙】で下車します。
■運賃:片道1,400円・所要時間(約1時間25分)
✨島原駅➡雲仙
島原駅から島鉄バスの『雲仙』行に乗車し【雲仙】で下車します。
■運賃:片道850円・所要時間(約50分)
✨島原港➡雲仙
島原港から島鉄バスの『雲仙』行に乗車し【雲仙】で下車します。
■運賃:片道760円・所要時間(約40分)
自家用車
長崎市内または福岡市内・佐賀市内から、自家用車で長崎自動車道を諫早ICで降りて、国道251号線で小浜温泉または島原を経由して、国道57号線で雲仙まで行くことができます。
■諫早IC➡小浜➡雲仙・所要時間(約1時間20分)
■諫早IC➡島原➡雲仙・所要時間(約1時間50分)
■秋に行きたい紅葉の名所【雲仙仁田峠】の見どころを別の記事で紹介しています。
■小浜温泉の日帰り旅行におすすめのモデルコースを別の記事で紹介しています。
駐車場の料金と場所
雲仙地獄の駐車場は、雲仙市の公共駐車場や宿泊施設の有料駐車場を利用することができます。
駐車場の料金
雲仙地獄周辺の駐車場の料金の相場は、1回300円~500円となっています。
雲仙地獄の駐車場 | 料金 |
---|---|
雲仙温泉第一駐車場 | 普通車:1回500円 |
雲仙第四駐車場(古湯駐車場) | 普通車:1回300円 |
駐車場の場所
雲仙地獄周辺には、13カ所の駐車場がありますので、現地に到着されましたら、駐車場の場所をGoogleマップで確認してみてください。
✨雲仙地獄周辺のすべての駐車場の場所
✨雲仙温泉第一駐車場
■駐車料金:1回500円
雲仙観光局(雲仙観光案内所)・ビードロ美術館・ガラス体験工房へ立ち寄られる方は、雲仙温泉第一駐車場が近くておすすめです。
✨第四駐車場(古湯駐車場)
■駐車料金:1回300円
第四駐車場(古湯駐車場)は、駐車料金が、1回300円とお得ですが、雲仙地獄の入口までは徒歩で約5分かかります。
■秋に行きたい紅葉の名所【雲仙仁田峠】の見どころを別の記事で紹介しています。
■小浜温泉の日帰り旅行におすすめのモデルコースを別の記事で紹介しています。
雲仙地獄めぐりの見どころ
雲仙地獄は少し坂がありますが遊歩道が整備され案内版も設置されていますので、迷わずに歩いて散策することができます。
今回は、旧八万地獄や極楽公園など、雲仙地獄めぐりの12ヵ所の見どころを、約2時間かけて歩いて散策しました。
出典元:雲仙観光局
雲仙地獄めぐり散策ルート
雲仙地獄めぐりの散策ルートは、旧八万地獄を含む5ヵ所の地獄や、7ヵ所の名所旧跡を巡るコースで、ゆっくりと散策しても、所要時間は約1時間30~2時間です。
- ①旧八万地獄
- ②極楽公園
- ③清七地獄
- ④湯けむり橋
- ⑤お糸地獄
- ⑥雲仙地獄工房
- ⑦真知子岩
- ⑧キリシタン殉教碑
- ⑨展望台
- ⑩大叫喚地獄
- ⑪邪見地獄
- ⑫泥火山
①旧八万地獄
旧八万地獄は、雲仙温泉から国道57号線をへだてた向かい側に位置し、現在は、湯けむりもなく活動を休止している地獄です。
旧八万地獄は、極楽公園から入って遊歩道を歩いて20~30分で見学できます。
(旧八万地獄入口)
紅葉で色づく美しい周辺の山々と地獄のコントラスト映えます。
かつては、多くの観光客が訪れ噴気や熱水を噴出して活発に活動していた旧八万地獄の跡地です。
現在は、噴煙や噴出はありませんが、地獄の石を手で触ると少し「地熱」の温もりを感じることができます。
湯神少彦名大神(ゆかみすくなひこなのおおかみ)
毎年1年の締めくくりとして、湯神少彦名大神(ゆかみすくなひこなのおおかみ)を祭ったとされる大岩の下から湧き出る温泉をくみ取り、宿泊客が使った箸を燃やして清める「おたき上げ」や「お払い太鼓」が行われています。
■旧八万地獄の場所をGoogleマップで確認できます。
②極楽公園
雲仙温泉から国道57号線をへだてて向かい側の高台に雲仙温泉街や雲仙地獄を一望できる極楽公園があります。
旧八万地獄の入口のすぐ傍にある階段を上がると極楽公園へ行くことができます。
極楽公園は、2021年11月に再整備されているので、園内の東屋(休憩所)や庭なども、とても綺麗でした。
紅葉に色づく山並みと湯けむり漂う雲仙地獄の景色がとても綺麗です。
この日は天候にも恵まれ、雲仙温泉街を見渡せる休憩所のベンチに座って暫くまったりとしました。
雲仙温泉は古湯、小地獄、新湯の3つの地区に分かれており、古湯が最も古く、江戸時代前期の承応2年(1653年)に湯つぼが開かれたそうです。
延暦湯と名付けられたこの湯つぼが共同浴場の始まりで、多くの人々が湯治に利用したと言われています。
明治期に入り外国人登山の禁止令がなくなると、明治3年(1870年)に長崎から外国人が訪れ、日本人と一緒に湯つぼに入ったり、普賢岳の登山を楽しんだそうです。
現在、古湯地区では外国人避暑客で賑わった頃の街並みの再現に取り組み、和を貴調とした大正ロマン風の建物で統一されています。
■極楽公園の場所をGoogleマップで確認できます。
③清七地獄
1620年代に隠れキリシタンの清七が殉教した際に、湧き出した温泉が清七地獄です。
清七地獄は、雲仙地獄温泉の入口から湯けむり橋にかけて右側の場所になります。
雲仙温泉第一駐車場から、国道57号線沿いの歩道を、雲仙九州ホテル方面に歩いて行くと、清七地獄まで行くことができます。
遊歩道を歩くと大量の湯けむりと硫黄臭に包まれます。
紅葉に色づく美しい山並みと迫力ある濃い噴気の轟音に圧巻です。
(清七地獄)
④湯けむり橋
湯けむり橋は、1960年代のキリシタン弾圧が厳しかった時代に、長崎在住のキリシタンの清七が殉教した「清七地獄」と「いぶき地獄」の間に架けられた橋です。
湯けむり橋を歩くと名前の通り、湯けむりがもくもくと立ち上がり、硫黄の匂いが立ち込める別世界の空間を体験することができます。
■清七地獄の場所をGoogleマップで確認できます。
⑤お糸地獄
お糸地獄は、雲仙地獄の中でも最も硫黄臭が強く、時おり噴き上げる蒸気で通路が見えないほどに、白い湯けむりに包まれます。
お糸地獄は、その名の由来から、さまざまな哀史や伝説を今に伝えています。
足を置くと地熱や噴気を体感できる休憩所「雲仙地獄足蒸し」があります。
雲仙地獄工房から遊歩道を進んで行くと、大叫喚地獄・キリシタン殉教碑へ行くことができます。
■お糸地獄の場所をGoogleマップで確認できます。
⑥雲仙地獄工房
温泉地獄工房では、その場で食べれる「温泉たまご」や「温泉レモネード」というラムネが販売されています。
雲仙地獄工房には、テーブルと椅子が設置してあり、温泉たまごを食べながら、ゆっくりと地獄見物を楽しめます。
■温泉地獄工房の営業時間:10:00~16:00
お糸地獄には、可愛い猫ちゃんたちが、ぽかぽかと暖かい地熱の傍でくつろいでいました。
温泉たまご
雲仙地獄めぐりの名物「温泉たまご」は、地獄の水蒸気を士管から噴き出させ、その高温の熱で卵を蒸しているそうです。
蒸し時間は約7分で、温泉たまご2個200円で販売しています。
温泉たまごを2個買って美味しく頂きました。
■雲仙地獄工房の場所をGoogleマップで確認できます。
⑦真知子岩
1954年に雲仙地獄で松竹映画「君の名は」のロケ地として撮影が行われ、真知子役を演じた女優の岸恵子さんが手を添えた岩が「真知子岩」と名付けられ記念碑も建てられていました。
■真知子岩の場所をGoogleマップで確認できます。
⑧キリシタン殉教碑
雲仙地獄には、何年にも渡って語り継がれてきた歴史的な事件や伝説があります。
1500年後半から1600年初期にキリスト教が雲仙に広まりました。
ところが17世紀前半に、徳川家によってキリスト教は迫害され、ここ雲仙地獄でもキリシタンたちは殉教し、潜伏キリシタンの悲しい歴史を伝えるキリシタン殉教碑が建てられました。
■真知子岩の場所をGoogleマップで確認できます。
⑨展望台
真知子岩とキリシタン殉教碑から順路を進んで行くと、雲仙地獄を一望できる展望台(休憩所)があります。
この日は天気に恵まれ展望台からは、紅葉に色づく山々と湯けむりが上がる雲仙地獄の絶景を満喫することができました。
展望台からは、先ほど立ち寄った「お糸地獄」や「温泉地獄茶屋」も見えます。
先ほど通ってきた遊歩道と真知子岩・雲仙九州ホテルが見えています。
■展望台(休憩所)の場所をGoogleマップで確認できます。
⑩大叫喚地獄
真知子岩とキリシタン殉教碑から、さらに順路を上に行くと、清七地獄・お糸地獄と並ぶ雲仙三大地獄の大叫喚地獄があります。
大叫喚地獄は、雲仙温泉の東側に位置しており、最も噴気の激しい場所で、展望所からは間近で噴気減少を見学することができます。
嘘を付いた罪人が地獄に落ちるときの叫び声が聞こえることから「大叫喚」という名前が付けられたと言われています。
大叫喚地獄の噴き出す熱水は、約100℃近くあり、30~40mにも及ぶ白い噴気が上がります。
大叫喚という名前の由来は、通気孔から聞こえる低音(アーオー)が、悲鳴のように聞こえることに由来しているそうです。
大叫喚地獄の噴気の最高温度は120℃で、激しく噴き出す噴気の音と熱気を感じることができます。
■大叫喚地獄の場所をGoogleマップで確認できます。
⑪邪見地獄
大叫喚地獄から順路を進んで行くと、噴煙を上げている「邪見地獄」が遊歩道の左側に見えてきます。
邪見地獄という名前は、嫉妬心によって生じた不和を「邪見地獄」の湯で解消するという仏教の教えに由来しているそうです。
邪見というのは、人をねたむ、みにくい心のことを言うのですね!
この温泉のお湯を飲むと、夫婦や友達の間で生じた、嫉妬心による不和を解消する、と言われています。
邪見地獄の案内版の向こう側にある多数の岩から、湯けむりが上がっている場所が「邪見地獄」です。
邪見地獄から泥火山へ行く途中の高台から見た景色に圧巻です!
紅葉に染まる山を背景に「邪見地獄」と「大叫喚地獄」が見えるこの場所は最高の絶景スポットです。
■邪見地獄の場所をGoogleマップで確認できます。
⑫泥火山
雲仙地獄めぐりの最後の見どころ泥火山に到着しました。
泥火山の周りに設置された木製のデッキを歩きながら、泥火山の周りをぐるっと一周することができます。
雲仙地獄の泥火山は、硫化水素を含む高温のガスによって、噴気とともに噴き上がり、火山のような形を作っているそうです。
泥火山は、硫黄臭もなく湯けむりも上がっていませんが、強酸性の温泉水が岩盤を腐食させて作った独特の景観を楽しめます。
火山の火口から噴き出した溶岩が冷えて固まる時と同じ現象で山体を作っているそうです。
水分が少なく泥の粘り気が弱い平たい形になっています。
■泥火山の場所をGoogleマップで確認できます。
雲仙観光局(雲仙観光案内所)
雲仙観光局(雲仙観光案内所)では、宿泊施設や日帰り温泉・観光名所・アクティビティなどを紹介しています。
■営業時間
•火・木・金:10:00~16:00
•水 :12:00~16:00
•土・日 :9:00~15:00
■定休日:年中無休
■所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙320
■電話番号:0957-73-3434
■雲仙観光局の場所をGoogleマップで確認できます。
雲仙ビードロ美術館
18世紀~19世紀のアンティークガラスや、長崎ビードロ・オイルランプなど約150点を展示しており、ガラス造りを体験することができます。
■営業時間:9:00~18:00
■定休日:水曜日
■所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙320
■電話番号:0957-73-3133
■雲仙ビードロ美術館の場所をGoogleマップで確認できます。
■小浜温泉の日帰り旅行におすすめのモデルコースを別の記事で紹介しています。
■秋に行きたい紅葉の名所【雲仙仁田峠】の見どころを別の記事で紹介しています。
■紅葉の穴場スポット【三十路苑】の詳細は別の記事で紹介しています。